今回は開放と絞った状態での比較をしてみようと思う。
開放ではやや甘い印象もあるが、柔らかで自然な印象だ。
F8まで絞るとガラッと印象も変わり、キリッとシャープになる。
こちらまで根の力強さが伝わってくるようだ。
開放では盛大にゴーストが出ることもある。
現行レンズではコーティングによりフレアやゴーストは抑えられている。
しかし、作品作りや雰囲気を描写するには、こちらのレンズには到底及ばないだろう。
このレンズは神秘的な描写が実に巧いのだ。
少し絞るとゴーストもなくなった。
印象もだいぶ変わり、岩に生えた苔の質感まで上手く表現されている。
開放では、日の光の柔らかさが上手く表現されている。
少し絞ると解像感が一気に増す印象だ。
木の生命力までを感じる立体感を写し出す。
薄い被写界深度が柔らかなボケを表現し、上手く雰囲気を写し出している。
ピント面ではしっかりと解像されている様子が伺える。
枝と空のコントラストを見事に表現している。
こちらは細い枝まで、しっかりと描写している。
開放では、ややソフトフォーカスな柔らかさのある仕上がりだ。
やはり絞った時の解像感は息を飲む。
茅葺屋根の断面をしっかりと描写できている。
如何だったであろうか、開放の優しい描写と
絞った時のシャープな写りのギャップに思わず胸を掴まれる。
ミラーレス機が主流になってきた現在、
オールドレンズの可能性は無限に広がったのではないだろうか。