開放F値1.4は現在でも、とても明るいレンズに分けられる。
しかし、このレンズが登場した時は最高に明るいレンズであった。
1960年のフォトキナで発表され、
35mmでは最高に明るいレンズとして生み出されたのだ。
だが、明るさを求めたがゆえ、開放ではかなり甘い描写となっている。
当時は「クセ玉」として評価され
「開放が使い物にならない」と言われたほどなのだ。
しかし、現在のカリカリに写るレンズとは裏腹に、
このふんわりとした描写が人気を出している。
オールドレンズならではの表現を求める愛好者が多い。
一段暗いズミクロンと比較すると解像感はかなり違う。
カリッとした描写が好みならばズミクロンの方をお勧めする。
しかし、この柔らかな描写が好みなのであれば
一度手に取ってもらいたい。
ライカの大口径レンズは、クセのあるものが多いが
逆にそれが作品に生きてくるのだと、私は思う。